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特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例 資料:私の使用している白内障手術クリニカルパス
市中総合病院
著者: 市川一夫1 中村英樹1
所属機関: 1社会保険中京病院眼科
ページ範囲:P.280 - P.289
文献購入ページに移動クリニカルパスの導入を病院が決定し,それに伴い眼科でもパス化が要求され白内障に実施しだしたのが4年前でした。導入当時,入院時における治療・ケアなどはパターン化しているため,クリニカルパスは導入しやすいように思われました。白内障の医師としてやるべきことは簡単な言葉にすれば,「点眼は術前日まで2種類,術翌日から3種類,点滴は術後2日間施行,内服は点滴終了から開始と指示。他科の内服続行か,入院中他科受診続行かを指示。診察は毎日の眼圧検査,細隙灯顕微鏡検査,眼底検査,術翌日の屈折・視力検査」とおおむね3行で済んでしまうと思っていました。
実際にスタートしてみると看護部分,全身合併症の対処,術後の合併症に対する処置など多岐にわたる配慮が必要なことがわかってきました。当初は病院全体としても試みの段階で,片眼手術の2泊3日・両眼1週間の全身的に問題のない眼科管理のみ症例とし,クリニカルパスの導入率は20%を超える程度の狭いものでした。しかし,やりだしてみるとパス症例の経過やパス症例でないものとの比較から少ないなかにも問題点がみえてきて,全身的には糖尿病,腎不全が問題になる場合が多いこと,術中・術後合併症を起こすとパスから外れる場合が起こりうること,術後合併症では特に眼圧上昇が多いこと,パス適応とされる症例でもパスを外れる最も大きな理由は術者の術日限定により日程がパスの企画どおりに組めないことがわかりました。
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