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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科58巻12号

2004年11月発行

雑誌目次

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (9) 特別講演

Ocular Surfaceの神秘を探る―30年間のパラダイムシフト

著者: 木下茂

ページ範囲:P.2086 - P.2094

 Ocular surfaceにはいくつかの難治性の疾患が生じえる。例えば,膠様滴状角膜ジストロフィー,周辺部角膜潰瘍,熱・化学外傷,重症薬剤毒性,角膜フリクテン,Stevens-Johnson症候群,眼類天疱瘡,などである。30年前には,これらの疾患についての基礎的理解は乏しく,有効な治療方法は皆無に等しかった。しかし,現在では,いくつかのパラダイムシフトを経て,それなりの治療方法が確立しつつある。

 どのような基礎的理解が新しい治療方法を生み出してきたかを考えてみると,少なくとも以下に述べる4つの事柄があげられる。第1は,角膜上皮と結膜上皮の相同と相違についての理解である。両者がocular surfaceを構成する粘膜上皮としての相同性を持つが,一方,遺伝子発現プロフィールは大きく異なること,生理的バリアーとしてさまざまな相違性を示すこと,さらに血管新生に関して抑制的と促進的という逆方向に作用する点などである。第2は,角膜上皮幹細胞が角膜輪部に存在するという理解である。角膜腐食,無虹彩症,Stevens-Johnson症候群,眼類天疱瘡などは,角膜上皮幹細胞の完全消失を生じるため重症眼表面疾患と定義づけられ,その治療方法として角膜上皮幹細胞移植が開発された。第3は,羊膜に代表される基質移植による角膜実質や結膜下組織への炎症抑制や新しい上皮下組織の構築である。この概念は,羊膜上の培養角膜上皮幹細胞移植や培養口腔粘膜上皮移植というあたらしい手術方法へとさらに発展し,急性期のocular surface疾患への外科的対応を可能にした。第4は,ocular surfaceに存在する自然免疫系と深いかかわりがあると考えられる常在細菌が,菌量の変化などによって角膜感染アレルギーを起こし得るという現象の理解である。この考えを発展させていくと,角膜フリクテンや角膜上皮移植後の術後管理方法がみえてくる。さらには,涙液ダイナミクスへの基礎的理解がドライアイを代表とするocular surface疾患へのあたらしい治療方法の開発を可能にしてきた。

原著

外傷性視神経乳頭離断の1例

著者: 野田和宏 ,   平山久美子 ,   松本博善 ,   新井恵子 ,   前野則子 ,   石橋達朗

ページ範囲:P.2095 - P.2098

 2歳8か月男児が高さ2.5mの崖から転落して顔面と頭部を打撲し,即日受診した。左眼視力は0で,左眼角膜にびらんがあり,乳頭前に硝子体出血があり周辺部網膜の色調が蒼白で,網膜中心動脈閉塞症が疑われた。1年9か月後に硝子体出血と混濁は消退した。視神経乳頭は陥凹し,陥凹底に線維組織の増殖があった。蛍光眼底造影で網膜主幹血管の灌流があった。外傷性視神経乳頭離断と診断した。本症では受傷直後から眼底の精査が困難であり,重篤な視力障害が残る。外傷患者の診察では本症も考慮する必要がある。

水晶体囊外摘出術の20年後に水晶体起因性緑内障を生じた1例

著者: 柴原玲子 ,   二井宏紀

ページ範囲:P.2099 - P.2101

 79歳女性が5日前からの左眼視力低下と眼痛で受診した。幼時から強度近視があり,20年前に左眼に水晶体囊外摘出術を受けていた。受診2か月前の診察では,左眼は無水晶体眼であり,矯正視力は0.2,眼圧は正常であった。今回受診時の左眼視力は0.01で,眼圧は43mmHgであった。広隅角であり,後囊と前部硝子体膜の間に白色物質が大量に貯留していた。水晶体起因性開放隅角緑内障と診断し,後発白内障切除と前部硝子体切除術を行った。眼圧は翌日に正常化し,以後2年間は安定した状態にある。白内障手術から長期経たあとに生じた水晶体起因性緑内障発作に対し,後発白内障切除と前部硝子体切除が奏効した1例である。

特別寄稿

眼底画像診断の現状と将来

著者: ,   ,  

ページ範囲:P.2112 - P.2127

 1967年にJ. Donald Gass博士が“American J Ophthalmology”の補足話題として“Pathogenesis of Disciform Detachment of the Neuro-epithelium”というタイトルの古典的著述を行ったが,その論文の中にmedical retinaという専門分野の成立,起源を見いだすことができる。この画期的論文が書かれた以前には,網膜の専門家とは,いわゆる“bucklers”であり,網膜復位のために網膜裂孔を発見する間接倒像鏡の観察に卓越するようにトレーニングされた眼科医であった。

 フルオレセイン蛍光造影法など新しい補助診断法の発展,Gassによってもたらされた網脈絡膜における最前線の秀れた独自性のある研究,さらにはレーザー光凝固治療などの新しい治療法の台頭に伴い,新しいタイプの網膜の専門家が1970年代初頭から出現しはじめた。眼科学における専門分化の革命的な変化と時を同じくし,またはその結果として,多くの研究者による秀れたmedical retinaの教科書や図譜が,日本,英国,イタリア,ドイツ,アメリカ,そして最近ではインドなどにおいてみられるようになった。秀れた網膜図譜が国際的に広まるにつれて,初期の成書が出版され,網膜疾患についてのわれわれの臨床的知識は増加し,さらに蛍光眼底造影法の利用などにより加速されていった1~5)

連載 今月の話題

加齢黄斑変性の分子遺伝学

著者: 吉田茂生

ページ範囲:P.2063 - P.2068

 ゲノムプロジェクトの完了により,ヒトの全遺伝情報が明らかになった現在,稀な単因子性の疾患のみならず,多因子性疾患である加齢黄斑変性(aged-related macular degeneration:AMD)の疾患感受性遺伝子を明らかにしようとする試みが,米国を中心に加速している。AMDの疾患感受性遺伝子の解明は,発症予防や,病因に基づいた新しい治療などにつながり,今後の眼科臨床に大きく貢献することが期待される。AMDの分子遺伝学の現況について概説する。

眼の遺伝病63

RPGR遺伝子異常による網膜変性(1)―g.ORF15+249delC変異とX染色体劣性網膜色素変性

著者: 板橋俊隆 ,   和田裕子 ,   玉井信

ページ範囲:P.2070 - P.2072

 RPGR遺伝子は1996年にX染色体劣性網膜色素変性(XLRP)の原因遺伝子として同定され1,2),その後2000年に遺伝子変異のホット・スポットである新規エクソンORF15が報告された3)。欧米では,XLRP患者の60~66%にエクソンORF15の遺伝子異常が確認されている3,4)。今回はRPGR遺伝子の新規変異,g.ORF15+249delC変異を認めたX染色体劣性網膜色素変性家系の遺伝子解析結果と臨床像について報告する。

日常みる角膜疾患20

角結膜上皮内癌・扁平上皮癌

著者: 森重直行 ,   足立格郁 ,   西田輝夫

ページ範囲:P.2074 - P.2077

 症例

 [症例1]

 患者:48歳,男性

 現病歴:9歳時にStevens-Johnson症候群を発症し,近医で経過観察をされていた。左眼の下方輪部結膜の腫瘤を指摘され,2000年10月3日に精査加療目的で当科に紹介され受診となった。

 初診時所見:視力は右眼0.9(1.0),左眼0.02(n.c.),左眼の角結膜輪部下方に半透明の隆起性病変を認め,同部位には花火状の血管増生を伴っていた(図1)。結膜原発腫瘍と診断し,左眼腫瘍切除術を施行した。悪性腫瘍を考え,安全域を2~3mmとって一塊にして切除した。病理組織学的には,病変部に円形~扁平の上皮細胞の増殖を認め,クロマチンの濃縮と核/細胞質比の増大を認めた(図2a)。基底膜を越えた下部組織への異常細胞の浸潤はみられなかったことから(図2b),病理組織学的に上皮内癌と診断した。術後3年以上経過したが,再発を認めていない。

緑内障手術手技・17

風間法(suture canalization)(2)

著者: 黒田真一郎

ページ範囲:P.2078 - P.2080

 シュレム管内へのナイロン糸の挿入

 針付き6-0ナイロン糸の断端にディスポ パクレン(オプテンプ(R))を近づけて丸く凝固させた後(図1a),シュレム管より少し強膜側の内側フラップの底の位置で,針をシュレム管と平行に外側フラップ端から1mmくらいの位置に出すように強膜に通糸する(図1b)。同様に反対側の糸も強膜に通糸し,約3cmの長さに糸を切断しておく。糸をシュレム管と平行に保つようにしながらゆっくりとシュレム管内に挿入する(図1c)。約5mm程度挿入した後,強膜上に出ている糸を約1cmのところで切断し,先の要領で断端を丸く凝固しておく。ナイロン糸が抜けないように10-0ナイロン糸で,フラップの外側約2mmの位置で強膜にしっかり縫着・固定する(図1d)。結膜下のテノン囊を鑷子で剥離し糸を挿入しやすくした後,ナイロン糸を真っ直ぐになるように挿入する(結膜下にナイロン糸を挿入する時点はいつでもよいが,ナイロン糸が操作の邪魔にならないよいにすればよい)。

あのころ あのとき46

論文を書くということ(1)―書くということに繋がるもの

著者: 宮永嘉隆

ページ範囲:P.2082 - P.2084

 昭和36年春,今から40数年前である。私はインターンを終えて,これからの行き先に頭を悩ませていた。もともと私は優柔不断というか,即断即決が苦手であったのでなかなか決まらない。早く医師として活躍してみたいと思いながらも,何か自信がなかった。もう一度医学の基礎をやってみよう,それからでも臨床は遅くはないのではないか。やっと考えがまとまった。そして一番なじんでいたし,論理的と思っていた微生物学免疫学教室の大学院を受験した。

他科との連携

応援医師が神様に見えた日

著者: 馬場哲也

ページ範囲:P.2128 - P.2129

 昨今,各医療機関で救急医療の充実がなされつつありますが,眼科は特殊分野であることから眼症状を訴える症例についてはオンコールなどで呼び出されることが多く,眼科医の負担が大きくなってきています。そのため,若い先生たちから「昨日も呼ばれていったら○○○で全然たいしたことなかった。こんなもんで呼ぶなよ。」といった会話がときに聞こえてきます。そんなときには「オンコールの依頼があったら,必ずふたつ返事で出てゆくように。病状を聞いて私たちにはたいしたことがなくても,他科の先生は困っているのだから。眼科医が当直していて,腹痛の症例がきたら軽症例でも右往左往するのといっしょでお互いさまなんだから。」と,いい聞かせています。こんな話をしたりすると,私が研修医時代に経験した当直のある1日を今でも思い出します。

臨床報告

眼内レンズの毛様溝縫着術後に上脈絡膜出血を生じた2例

著者: 柴友明 ,   中原正彰 ,   宮井尊史 ,   宮田和典 ,   山本修一

ページ範囲:P.2135 - P.2140

 毛様溝縫着による眼内レンズ挿入後に,上脈絡膜出血が2眼に発症した。1例は57歳男性で,すでに偽水晶体眼であり,眼内レンズが硝子体腔に脱臼して受診した。眼内レンズを摘出し,別の眼内レンズを毛様溝に縫着した。手術の90分後に眼痛が生じ,超音波検査で駆遂性上脈絡膜出血と診断した。3日後の再手術では,出血が多量で凝固し,除去が困難であり,対向する網膜が接触し,鋸状縁断裂があった。他の1例は51歳男性で,打撲により水晶体が硝子体腔に落下した。扁平部経由で硝子体と水晶体を切除し,通常の方法で眼内レンズを挿入し,毛様溝に縫着した。11週後に階段で転落し,左眼を打撲した。前房出血と,強い上脈絡膜出血があった。9日後に組織プラスミノーゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator:t-PA)を眼内に注入した。その翌日に強膜を切開し,すでに溶血している上脈絡膜出血をほぼ完全に除去した。術後の上脈絡膜出血では,溶血の起こる10日後頃に手術するのが望ましい。術前のt-PAの眼内注入で術中の合併症を軽減できる。

眼内炎と視神経炎を合併した眼トキソカラ症の1例

著者: 後藤さや香 ,   樋口亮太郎 ,   水木信久

ページ範囲:P.2141 - P.2145

 38歳男性が6週間前からの右眼の霧視で受診した。過去8年間,2週間に1回の割合で牛肝(レバー)を生で食べる習慣があった。矯正視力は右0.01,左1.2であった。右眼に毛様充血,前房混濁,硝子体混濁,眼底後極部一体に点状出血と滲出斑が多数あり,乳頭が発赤,浮腫状であった。磁気共鳴画像検査(MRI)で,右視神経が視交叉まで腫大していた。血清,髄液,硝子体の抗犬回虫抗体値が上昇していたために,眼トキソカラ症と診断した。副腎皮質ステロイド薬の全身投与で眼病変は寛解に向かい,初診から7か月後に0.7の視力に回復した。眼トキソカラ症が眼内炎と視神経炎の形で発症した1例である。

両眼の眼窩下壁骨折に対して上顎洞内バルーン挿入および骨膜移植術を施行した1例

著者: 澤野宗顕 ,   三須一雄 ,   松島博之 ,   石丸慎平 ,   妹尾正 ,   小原喜隆

ページ範囲:P.2147 - P.2151

 24歳男性が暴行で顔面を殴打された。視力は良好で,前眼部には球結膜出血以外に異常はなかった。眼球運動障害があり,全方向に複視があった。両眼とも,上転と下転が制限され,両側の三叉神経第2枝領域に知覚鈍麻があった。画像診断で両側の眼窩下壁に骨欠損型の骨折があった。治療として,全身麻酔下で両側の眼窩下壁骨折を整復した。眼窩側から嵌頓組織を整復し,骨折部に脛骨から採取した骨膜を移植し,上顎洞内にバルーンを2週間留置した。6か月後に複視は消失した。今回の術式は,眼窩下壁骨折に有効な方法の1つである。

糸状菌による角膜真菌症における病型と予後の検討

著者: 鈴木崇 ,   宇野敏彦 ,   宇田高広 ,   宮本仁志 ,   砂田淳子 ,   浅利誠志 ,   大橋裕一

ページ範囲:P.2153 - P.2157

 過去4年間の角膜真菌症の自験例17眼を解析した。すべて片眼発症で,男性10例,女性7例であり,全例で病巣部の角膜擦過物の培養または検鏡で糸状菌と診断されている。前房蓄膿またはendothelial plaqueが初診時にあり,病巣が角膜全層に及ぶ10眼と,これらがなく,病巣が角膜表層に限局する7眼とに大別できた。前者を「全層型」,後者を「表層型」と仮称する。表層型の視力転帰は全層型よりも良好であり,経過中に角膜穿孔が生じて角膜移植を必要とした5眼はいずれも全層型であった。糸状菌による角膜真菌症を,全層型と表層型の2病型に分類することは,視力予後の推定に有効であると結論される。

網膜静脈分枝閉塞症と裂孔原性網膜剝離を伴った眼トキソカラ症の1例

著者: 山田晴彦 ,   山田英里 ,   中田知伸

ページ範囲:P.2159 - P.2164

 59歳男性の右眼に視力低下を伴う飛蚊症が突発し,その5日後に受診した。左右眼とも視力は1.0であった。右眼に硝子体出血があり,上方の網膜に滲出斑と網膜から前方に連なる出血があった。1か月後に硝子体出血は消退していたが,右眼上方に馬蹄形裂孔と,その周囲に網膜剝離があった。蛍光眼底造影で,上鼻側静脈が乳頭のすぐ上方で閉塞し,それよりも周辺眼底に無灌流領域があった。硝子体手術,眼内光凝固と,SF6ガス注入で網膜剝離は治癒した。患者は飼い犬と寝食をともにしていた。トキソプラズマの血清抗体値は陰性であったが,犬回虫の抗体が陽性であった。手術の際に,滲出斑に囲まれた囊胞様所見が2か所あった。滲出のある網膜部位を切除し,犬回虫(toxocara canis)と思われる虫体が検出された。眼内に犬回虫の幼虫が移行し,これが網膜静脈分枝閉塞症と網膜硝子体癒着による網膜裂孔になり,網膜剝離に至ったと解釈した。背景因子がない症例の眼内に滲出性病変をみたときには,動物との接触を疑う必要がある。

未熟児網膜症自然治癒31年後に発症した裂孔原性網膜剝離の1例

著者: 二階堂潤 ,   山田晴彦 ,   三間由美子 ,   宮本秀樹 ,   松村美代

ページ範囲:P.2165 - P.2169

 31歳女性に右眼の視力低下が突発した。28週での早産児で,出生時体重は1,050gであった。両眼に未熟児網膜症があり,右眼は自然治癒し,左眼は失明した。右眼の以後の経過は良好で,高度近視があったが,コンタクトレンズ装用で0.7の視力があったという。幼少時にアトピー性皮膚炎があった。右眼に硝子体出血と網膜全剝離があり,中間周辺部の網膜硝子体癒着が強かった。左眼に牽引乳頭と胞状網膜剝離があり,未熟児網膜症の瘢痕4期に相当した。右眼への手術中に,分界線(demarcation line)よりも後方の有血管網膜部位に小さな円孔を確認した。0.8の最終視力を得た。無治療で自然寛解した未熟児網膜症による網膜剝離が,成人になって発症した1例である。

手術顕微鏡搭載のビデオ画面を僚眼で固視させて行う両眼開放手術

著者: 浅原智美 ,   浅原典郎

ページ範囲:P.2171 - P.2174

 手術中の眼位を安定させる目的で,僚眼でビデオ画面を固視させる装置を開発した。固視用の画面には6型のDVD液晶カラーテレビを使い,これを手術顕微鏡に接続した。映写する番組は患者に選ばせた。この方法で,白内障50例50眼と,緑内障16例17眼への手術を行った。白内障手術では46眼(92%),緑内障手術では14眼(82%)で手術眼の安定が得られ,順調に手術を行うことができた。この装置は小型であり,患者の不安と緊張を除く効果があり,手術顕微鏡への入力と同時にビデオ画面が自動的に僚眼前に呈示され,通常の顕微鏡手術と同じ方法で施行できた。

光干渉断層計およびHeidelberg Retina Tomographによる緑内障眼の視神経乳頭形状測定の比較

著者: 岩切亮 ,   小林かおり ,   岩尾圭一郎 ,   小林博

ページ範囲:P.2175 - P.2179

 緑内障患者32人55眼の視神経乳頭形状を測定した。光干渉断層計(OCT3)とHeidelberg Retina Tomographによる結果を比較した。以下の項目で2方法間に有意な相関があった。乳頭面積(r=0.767,p<0.0001),陥凹面積(r=0.826,p<0.0001),陥凹面積/乳頭面積比(r=0.798,p<0.0001),リム面積(r=0.65,p<0.0001),リム体積(r=0.677,p<0.0001)。測定誤差を示す変動係数の平均値は,乳頭面積,陥凹面積およびリム面積については,光干渉断層計よりもHeidelberg Retina Tomographのほうが有意に低かった(p<0.0001;p=0.04;p=0.005)。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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