icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻12号

2004年11月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (9) 特別寄稿

眼底画像診断の現状と将来

著者:

所属機関: 1 2Manhattan Eye,Ear & Throat Hospital

ページ範囲:P.2112 - P.2127

文献購入ページに移動
 1967年にJ. Donald Gass博士が“American J Ophthalmology”の補足話題として“Pathogenesis of Disciform Detachment of the Neuro-epithelium”というタイトルの古典的著述を行ったが,その論文の中にmedical retinaという専門分野の成立,起源を見いだすことができる。この画期的論文が書かれた以前には,網膜の専門家とは,いわゆる“bucklers”であり,網膜復位のために網膜裂孔を発見する間接倒像鏡の観察に卓越するようにトレーニングされた眼科医であった。

 フルオレセイン蛍光造影法など新しい補助診断法の発展,Gassによってもたらされた網脈絡膜における最前線の秀れた独自性のある研究,さらにはレーザー光凝固治療などの新しい治療法の台頭に伴い,新しいタイプの網膜の専門家が1970年代初頭から出現しはじめた。眼科学における専門分化の革命的な変化と時を同じくし,またはその結果として,多くの研究者による秀れたmedical retinaの教科書や図譜が,日本,英国,イタリア,ドイツ,アメリカ,そして最近ではインドなどにおいてみられるようになった。秀れた網膜図譜が国際的に広まるにつれて,初期の成書が出版され,網膜疾患についてのわれわれの臨床的知識は増加し,さらに蛍光眼底造影法の利用などにより加速されていった1~5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?