icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻12号

2004年11月発行

文献概要

臨床報告

眼内炎と視神経炎を合併した眼トキソカラ症の1例

著者: 後藤さや香1 樋口亮太郎1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.2141 - P.2145

文献購入ページに移動
 38歳男性が6週間前からの右眼の霧視で受診した。過去8年間,2週間に1回の割合で牛肝(レバー)を生で食べる習慣があった。矯正視力は右0.01,左1.2であった。右眼に毛様充血,前房混濁,硝子体混濁,眼底後極部一体に点状出血と滲出斑が多数あり,乳頭が発赤,浮腫状であった。磁気共鳴画像検査(MRI)で,右視神経が視交叉まで腫大していた。血清,髄液,硝子体の抗犬回虫抗体値が上昇していたために,眼トキソカラ症と診断した。副腎皮質ステロイド薬の全身投与で眼病変は寛解に向かい,初診から7か月後に0.7の視力に回復した。眼トキソカラ症が眼内炎と視神経炎の形で発症した1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?