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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻12号

2004年11月発行

文献概要

臨床報告

両眼の眼窩下壁骨折に対して上顎洞内バルーン挿入および骨膜移植術を施行した1例

著者: 澤野宗顕1 三須一雄2 松島博之3 石丸慎平3 妹尾正3 小原喜隆3

所属機関: 1宇都宮社会保険病院眼科 2ミス医院 3獨協医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.2147 - P.2151

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 24歳男性が暴行で顔面を殴打された。視力は良好で,前眼部には球結膜出血以外に異常はなかった。眼球運動障害があり,全方向に複視があった。両眼とも,上転と下転が制限され,両側の三叉神経第2枝領域に知覚鈍麻があった。画像診断で両側の眼窩下壁に骨欠損型の骨折があった。治療として,全身麻酔下で両側の眼窩下壁骨折を整復した。眼窩側から嵌頓組織を整復し,骨折部に脛骨から採取した骨膜を移植し,上顎洞内にバルーンを2週間留置した。6か月後に複視は消失した。今回の術式は,眼窩下壁骨折に有効な方法の1つである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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