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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻12号

2004年11月発行

文献概要

臨床報告

糸状菌による角膜真菌症における病型と予後の検討

著者: 鈴木崇1 宇野敏彦1 宇田高広1 宮本仁志2 砂田淳子3 浅利誠志3 大橋裕一1

所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室 2愛媛大学医学部附属病院細菌検査室 3大阪大学医学部附属病院臨床検査室

ページ範囲:P.2153 - P.2157

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 過去4年間の角膜真菌症の自験例17眼を解析した。すべて片眼発症で,男性10例,女性7例であり,全例で病巣部の角膜擦過物の培養または検鏡で糸状菌と診断されている。前房蓄膿またはendothelial plaqueが初診時にあり,病巣が角膜全層に及ぶ10眼と,これらがなく,病巣が角膜表層に限局する7眼とに大別できた。前者を「全層型」,後者を「表層型」と仮称する。表層型の視力転帰は全層型よりも良好であり,経過中に角膜穿孔が生じて角膜移植を必要とした5眼はいずれも全層型であった。糸状菌による角膜真菌症を,全層型と表層型の2病型に分類することは,視力予後の推定に有効であると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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