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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻12号

2004年11月発行

文献概要

臨床報告

未熟児網膜症自然治癒31年後に発症した裂孔原性網膜剝離の1例

著者: 二階堂潤12 山田晴彦1 三間由美子1 宮本秀樹3 松村美代1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2市立吹田市民病院 3公立豊岡病院

ページ範囲:P.2165 - P.2169

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 31歳女性に右眼の視力低下が突発した。28週での早産児で,出生時体重は1,050gであった。両眼に未熟児網膜症があり,右眼は自然治癒し,左眼は失明した。右眼の以後の経過は良好で,高度近視があったが,コンタクトレンズ装用で0.7の視力があったという。幼少時にアトピー性皮膚炎があった。右眼に硝子体出血と網膜全剝離があり,中間周辺部の網膜硝子体癒着が強かった。左眼に牽引乳頭と胞状網膜剝離があり,未熟児網膜症の瘢痕4期に相当した。右眼への手術中に,分界線(demarcation line)よりも後方の有血管網膜部位に小さな円孔を確認した。0.8の最終視力を得た。無治療で自然寛解した未熟児網膜症による網膜剝離が,成人になって発症した1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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