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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻13号

2004年12月発行

文献概要

特集 コンタクトレンズ2004

特殊症例に対するコンタクトレンズ

著者: 柳井亮二1 西田輝夫1

所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)

ページ範囲:P.2227 - P.2236

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 はじめに

 コンタクトレンズ(以下,CL)は,近視,遠視などの屈折異常に対する屈折矯正用具として使用される。屈折異常のなかでも正乱視を伴った近視や遠視では眼鏡,CLが用いられ十分な効果を上げている。最近ではエキシマレーザーによる屈折矯正角膜手術や水晶体に対する手術によって,補助具なしで矯正することが可能となってきており,個々の症例の希望や特性に応じてこれらの屈折矯正法が選択できるようになってきた。しかしながら,円錐角膜や角膜移植後に代表されるような角膜形状異常をきたす疾患群では,角膜に起因する不正乱視のために眼鏡では十分な矯正視力が得られない。角膜に対する屈折矯正手術は禁忌であり,日常的に十分満足できる矯正視力が得られるかどうかはハードコンタクトレンズ(以下,HCL)による視力補正の可否に大きく依存する。つまり,角膜形状異常に伴う不正乱視に対する矯正法はHCL以外に選択の余地はなく,HCLが装用できなければ十分な矯正視力が得られない。したがって角膜不正乱視に対するCLの処方に際しては,単なる屈折異常に対する処方とは根本的に処方の考え方が異なる(表1)。

 本稿では,円錐角膜および角膜移植術後角膜に対するCL処方の問題点とその対処法について総括することを目的として最近の知見を概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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