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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻13号

2004年12月発行

文献概要

臨床報告

網膜中心静脈閉塞症に併発する黄斑浮腫に対する内境界膜剝離

著者: 古川真理子1 熊谷和之2 荻野誠周2 吉田ゆみ子1

所属機関: 1総合上飯田第一病院眼科 2新城眼科

ページ範囲:P.2275 - P.2279

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 網膜中心静脈閉塞症に併発した黄斑浮腫78例78眼に硝子体手術を行った。発症から3か月以内の45眼を新鮮例,それ以上の33眼を遷延例とした。37眼では内境界膜を剝離し,41眼では剝離しなかった。黄斑浮腫吸収までの平均期間は,新鮮例で内境界膜を剝離した23眼では6.0月,剝離しない22眼では4.6月で,有意差はなかった(p=0.31)。同じく遷延例で内境界膜を剝離した14眼では3.9月,剝離しない19眼では7.9月で,有意差はなかった(p=0.057)。LogMAR視力の改善度は,新鮮例での内境界膜剝離眼では0.32,非剝離眼では0.19で,有意差はなかった(p=0.41)。同じく遷延例での内境界膜剝離眼では0.29,非剝離眼では0.21で,有意差はなかった(p=0.60)。重回帰分析で,内境界膜を剝離することは浮腫吸収と術後視力に対する有意な因子ではなかった。網膜中心静脈閉塞症に併発した黄斑浮腫への硝子体手術では,内境界膜剝離は視力改善効果はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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