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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻13号

2004年12月発行

文献概要

臨床報告

輪状締結術後に一過性網膜外層斑状浮腫をきたした症例

著者: 谷内修太郎1 田中稔1 北川均1 竹林宏1 清川正敏1 葉田野宜子1 本田美樹1 椎名慶子1 村上晶2

所属機関: 1順天堂大学浦安病院眼科 2順天堂大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.2285 - P.2287

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 57歳女性が右眼網膜剝離として紹介され受診した。2か月前から右眼に飛蚊症があった。矯正視力は右眼0.1,左眼1.2であり,眼圧は右眼7mmHg,左眼12mmHgであった。右眼には上方に裂孔と限局性剝離,下方に裂孔と胞状の剝離があり黄斑に及んでいた。2日後にシリコーンスポンジで輪状締結術を行った。裂孔は冷凍凝固で処理した。経過は良好で,10日後の視力は0.2であった。手術から2か月後に網膜外層に散在性の斑状混濁が生じた。蛍光眼底造影で斑状混濁に一致して過蛍光があった。斑状混濁は緩慢に寛解し4年6か月後に消失したが,視力は0.6であった。手術の6年後に視力は1.0に回復した。手術中に一過性の高眼圧があったことが,その2か月後に網膜の斑状混濁が生じ遷延した原因である可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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