icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻13号

2004年12月発行

文献概要

臨床報告

心因性視覚障害児の治療予後と再発に影響する要因

著者: 樋口倫子12 宗像恒次1 橋本佐由理1 樋口裕彦3

所属機関: 1筑波大学大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学 2北里大学病院眼科 3ひぐち眼科

ページ範囲:P.2321 - P.2328

文献購入ページに移動
 治療終結後1年以上経過した心因性視覚障害児20例に対し治療の予後について調査を行った。20例の内訳は男児2例,女児18例で,初診時の年齢は6~15歳であった。調査の主な方法は,自記式質問紙票調査で,14例から有効回答が得られた。従来型治療5例(女児5例)と,Structured Association Technique(SAT)による心理療法を受けた9例(女児8例,男児1例)である。再発は従来型治療群で5例中2例(40%)とSATによる心理療法群では9例中1例(11%)に認められた。SAT療法介入群での予後良好例は,介入で改善した特性不安,自己抑制度,自己価値感や情緒的支援認知度が良好な状態で維持されていた。再発例では,本人と親がストレスを蓄積させやすい心理特性を有していた。再発を防止するには,患児と重要他者への心理的介入を行うことが必要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?