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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻2号

2004年02月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

修正在胎32週の未熟児に発症した角膜穿孔の1例

著者: 久保田敏昭1 巣山弥生1 脇屋純子1 鬼塚尚子1 青木幹弘2 松尾幸司2 吉永宗義2

所属機関: 1国立病院長崎医療センター眼科 2国立病院長崎医療センター小児科

ページ範囲:P.171 - P.173

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 新生児が呼吸窮迫症候群で出生当日に当院の新生児集中治療室に移送された。在胎期間は27週で,出生体重は982gであった。移送時の問題は,超低出生体重児,超早産児,呼吸窮迫症候群,新生児仮死,敗血症疑いであった。生後17日にCRP値上昇のため,複数の抗生物質の投与を開始した。生後23日に左眼の眼脂と角膜混濁が発見され,その3日後の眼科初診で左眼に角膜潰瘍,角膜中央部に菲薄化,虹彩出血があった。その翌日に角膜デスメ瘤が生じた。気管内分泌物から緑膿菌とカンジダが培養され,バンコマイシン点眼を開始した。4日後に前房が消失し,虹彩が脱出した。角膜穿孔部を結膜で被覆し,角膜混濁を残して前房が形成された。右眼には未熟児網膜症のみがあり,前眼部に病変はなかった。未熟児の角膜穿孔は稀であり,欧米の文献に9例の報告のみがある。その原因になる角膜感染症に留意する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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