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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻2号

2004年02月発行

臨床報告

増殖糖尿病網膜症に伴う血管新生緑内障に対する手術治療5年後の結果

著者: 向野利寛1 武末佳子1 志賀宗佑1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院眼科

ページ範囲:P.181 - P.185

文献概要

 増殖糖尿病網膜症に続発した血管新生緑内障7例10眼に手術を行い,その5年後の視機能を検討した。手術時年齢は44~63歳(平均51歳)であった。経扁平部水晶体切除と硝子体手術を用い,硝子体と増殖膜を除去して剝離網膜を復位させ,鋸状縁まで汎網膜光凝固を行った。虹彩ルベオーシスは全例で消失した。手術1か月後の視力は,光覚なし2眼,光覚弁2眼,0.2が1眼,0.5以上6眼であり,5年後の視力は,光覚なし3眼,光覚弁1眼,0.1が1眼,0.5以上5眼であった。術後に視力が著明に低下した症例はなかった。5年後の眼圧は,40mmHg以上2眼,低眼圧1眼で,他の7眼は正常範囲にあった。以上,術後5年間の観察で,視力が著明に低下した症例はなかった。血管新生緑内障でも,術後虹彩ルベオーシスが消退して眼圧が正常化した症例では,長期間にわたって視機能が保存できると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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