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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻2号

2004年02月発行

文献概要

臨床報告

非穿孔性線維柱帯切除術の術後成績

著者: 村上智昭1 宮本秀樹2 倉員敏明3 秦幸枝3

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科視覚病態学教室 2市立岸和田市民病院眼科 3公立豊岡病院眼科

ページ範囲:P.187 - P.191

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 非穿孔性線維柱帯切除術(nonpenetrating trabeculectomy)の成績を評価した。対象は40例50眼で,内訳は原発開放隅角緑内障33眼,正常眼圧緑内障7眼,続発緑内障4眼,その他であり,平均年齢は71.6±9.0歳である。11眼には通常の非穿孔性線維柱帯切除術,39眼にはこれに深層強膜切除を加えた変法を用いた。30眼には白内障手術と眼内レンズ挿入術を併用した。術後観察期間は平均10.0±4.2か月であった。術前眼圧は平均20.7±4.6mmHgであり,術後は最長15か月後までの各時点での平均眼圧が15mmHg以下であった。非穿孔性線維柱帯切除術とその変法,ならびに単独手術と白内障同時手術の間には,眼圧下降効果に有意差がなかった。濾過胞感染や過剰濾過に伴う合併症はなかった。眼圧下降が不十分な11眼にヤグレーザーによる隅角穿孔術を行い,有意な眼圧下降が得られた。非穿孔性線維柱帯切除術は緑内障に対する安全で有効な術式であると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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