icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻2号

2004年02月発行

文献概要

臨床報告

内視鏡による落屑症候群の観察

著者: 南雅之1 足立諭紀1 中村徹1 小池昇1 高橋春男1

所属機関: 1昭和大学附属豊州病院眼科

ページ範囲:P.199 - P.203

文献購入ページに移動
 白内障手術を行った157例212眼につき,細隙灯顕微鏡と内視鏡により落屑症候群の有無を検索した。男性73眼,女性139眼であり,全体の平均年齢は72.6歳であった。内視鏡は眼内レンズを挿入する直前に12時の強角膜創より挿入し,6時付近の毛様体とチン小帯を約90°の範囲で観察した。落屑症候群は,細隙灯顕微鏡検査で4例5眼(2.4%),内視鏡で44例66眼(21.6%)に発見された。内視鏡による落屑症候群の頻度は60歳未満では少なく,以後加齢とともに増加した。片眼性16例での眼圧は,患側が14.9±0.5mmHg,他眼が14.2±0.4mmHgであり,罹患側が有意に高かった(p<0.02)。内視鏡観察による落屑症候群では,その頻度が細隙灯顕微鏡によるときの約9倍であり,緑内障の可能性があると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?