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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻2号

2004年02月発行

文献概要

臨床報告

増殖糖尿病網膜症における酸化ストレスによる細胞傷害

著者: 佐藤浩章1 川崎良1 山下哲次2 瀧節子3 山下英俊1

所属機関: 1山形大学医学部情報構造統御学講座(視覚病態学分野) 2三菱化学ビーシーエル学術渉外部 3三菱化学ビーシーエル遺伝子検査部

ページ範囲:P.211 - P.216

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 背景:糖尿病網膜症の発症には酸化ストレスが関与している。目的:硝子体手術で得られた硝子体内の酸化ストレス物質の定量。対象:硝子体手術を行った44例46眼からの硝子体を対象とした。男性24例,女性20例で,年齢は61.6±10.2歳。内訳は増殖糖尿病網膜症18眼,網膜静脈分枝閉塞症による硝子体出血7眼,黄斑円孔13眼,黄斑上膜5眼,Terson症候群3眼である。糖尿病網膜症16眼には汎網膜光凝固が行われていた。方法:硝子体内の次の4項目を定量した。血管内皮増殖因子(VEGF),インターロイキン6(IL-6),一酸化窒素(NO), 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)。結果:4項目すべての値が,増殖糖尿病網膜症では他の群よりも有意に高かった。IL-6と8-OHdGとの間に有意な相関があった(r=0.386,p=0.0081)。結論:増殖糖尿病網膜症には酸化ストレスとサイトカインの関与がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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