文献詳細
特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (1)
原著
文献概要
過去に超音波水晶体乳化吸引術と硝子体切除術が行われている50眼に眼内レンズを二次的に挿入した。14眼にはアクリルレンズ,36眼にはシリコーンレンズを使用した。原因疾患は,増殖糖尿病網膜症20眼,網膜剝離19眼,網膜細動脈瘤破裂6眼,網膜静脈分枝閉塞症4眼,原因不明の硝子体出血1眼であった。術後3か月以上の観察で,2段階以上の視力改善が16眼(32%),不変32眼(75%),悪化が2眼(4%)にあった。悪化の原因は後囊混濁の進行と網膜細動脈瘤の再破裂各1眼であった。重篤な合併症はなかった。術前20眼にあった虹彩後癒着は,術後3眼に減少した。これら3眼は全例がアクリルレンズ挿入眼で,シリコーンレンズ挿入眼よりも有意に多かった(p<0.01)。今回の症例群では,眼内レンズの二次的挿入術は安全で有効であると判断された。
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