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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻3号

2004年03月発行

文献概要

臨床報告

新型光干渉断層計(OCT3)にて検討したpunctate inner choroidopathyの1例

著者: 後藤昌久1 山田晴彦1 河原澄枝1 松村美代1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.375 - P.380

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 26歳女性が3か月前からの右眼中心暗点で受診した。両眼に約-8Dの近視があり,矯正視力は右0.15,左1.2であった。右眼後極部に灰白色の小斑状病変が多発し,浮腫を伴う滲出性変化が中心窩にあった。フルオレセインとインドシアニングリーン蛍光眼底造影で,黄斑部に脈絡膜新生血管があった。新型光干渉断層計(OCT3)で,斑状病変部位には網膜深層に高反射があり,黄斑部には2型脈絡膜新生血管と思われるドーム状の高反射が検出された。これらの所見から,脈絡膜新生血管を伴うpunctate inner choroidopathyと診断した。6か月後に黄斑部の浮腫は消失し,脈絡膜新生血管は線維性瘢痕となり,右眼の矯正視力は0.8に改善した。光干渉断層計では,網膜色素上皮に萎縮があり,斑状病変部では網膜色素上皮よりも外層の反射が亢進していた。画像の解像力が改善した新型光干渉断層計では病変部の詳細な評価が可能であり,本疾患の診断と経過観察に有用であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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