icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

連載 日常みる角膜疾患13

帯状角膜症

著者: 原真紀子1 森重直行1 西田輝夫1

所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)

ページ範囲:P.424 - P.427

文献購入ページに移動
 症 例

[症例1]

 患者:39歳,女性

 主訴:両眼の異物感・羞明

 現病歴:1992年頃から両眼の羞明を自覚し始め近医を受診していたが,角膜上のカルシウム沈着が次第に進行してきたため,1995年に当科を紹介され受診した。

 既往歴:慢性糸球体腎炎により1975年から人工透析を継続。

 初診時所見:視力は右眼0.3(0.8×S-1.5D),左眼0.3(0.8×S-1.75D)であった。両眼の角膜上皮下に,ほぼ瞼裂に一致した帯状の白色沈着物を認めた。

 経過および治療:ステロイド(0.1%フルメトロン(R))とコンドロイチン硫酸ナトリウム(1%コンドロン(R))点眼により経過観察していたが,徐々に病変が進行し視力が両眼とも矯正下で0.5と低下したため,2000年12月に両眼の角膜上皮掻爬術+フィブロネクチン点眼を施行した。術後は特に問題なく,視力も右眼1.0(矯正不能),左眼0.5(0.8×S-0.75D)まで改善した(図1)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?