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文献概要
連載 日常みる角膜疾患13
帯状角膜症
著者: 原真紀子1 森重直行1 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)
ページ範囲:P.424 - P.427
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患者:39歳,女性
主訴:両眼の異物感・羞明
現病歴:1992年頃から両眼の羞明を自覚し始め近医を受診していたが,角膜上のカルシウム沈着が次第に進行してきたため,1995年に当科を紹介され受診した。
既往歴:慢性糸球体腎炎により1975年から人工透析を継続。
初診時所見:視力は右眼0.3(0.8×S-1.5D),左眼0.3(0.8×S-1.75D)であった。両眼の角膜上皮下に,ほぼ瞼裂に一致した帯状の白色沈着物を認めた。
経過および治療:ステロイド(0.1%フルメトロン(R))とコンドロイチン硫酸ナトリウム(1%コンドロン(R))点眼により経過観察していたが,徐々に病変が進行し視力が両眼とも矯正下で0.5と低下したため,2000年12月に両眼の角膜上皮掻爬術+フィブロネクチン点眼を施行した。術後は特に問題なく,視力も右眼1.0(矯正不能),左眼0.5(0.8×S-0.75D)まで改善した(図1)。
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