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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

流行性耳下腺炎に併発した角膜内皮炎の1例

著者: 佐野友紀1 阿部達也1 笹川智幸1 松田英伸1 阿部春樹1

所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.441 - P.444

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 24歳女性が前日からの左眼視力低下で受診した。有痛性腫脹が7日前に右耳介,6日前に左耳介に生じ,39.7℃に発熱した。矯正視力は右1.2,左0.01で,左眼眼圧が34mmHgであった。左眼に強い毛様充血と角膜実質の浮腫があった。流行性耳下腺炎に併発した角膜内皮炎と続発緑内障を疑い,副腎皮質ステロイドの点眼を開始した。初診の10日前に長男が流行性耳下腺炎に罹患していること,定型的な全身症状,ペア血清によるムンプスウイルス抗体値の上昇から,流行性耳下腺炎の診断が確定した。角膜内皮炎は40日後に治癒した。左眼の角膜内皮細胞密度は1,442mm2で,右眼の約50%に減少していた。流行性耳下腺炎に併発した角膜内皮炎は早期に治癒するが,角膜内皮細胞の減少があるので注意が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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