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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

マイトマイシンCを用いたPRK後のエンハンスメント

著者: 鈴木高佳1 ビッセン宮島 弘子1 中村匡志1 菊地毅志1

所属機関: 1東京歯科大学水道橋病院眼科

ページ範囲:P.461 - P.464

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 19歳男性の両眼にレーザー屈折矯正角膜切除術(photorefractive keratectomy:PRK)を行った。術前に軸180°の正乱視を伴う-4.0Dの近視が両眼にあった。PRKの目的は,プロのボクサーになるためであった。術後1か月に両眼とも裸眼視力が1.0になった。その後両眼にヘイズが生じた。近視と乱視の戻り(リグレッション)が起こり,裸眼視力が右0.1,左0.3に低下した。初回手術から4か月後にPRKを再び実施した。レーザーで角膜前面を切除したのち,切除部に0.02%マイトマイシンCを2分間作用させた。両眼とも4日後に切除部が上皮化し,1か月後に裸眼視力が右1.0,左1.2に回復した。再手術から6か月後までこの状態がほぼ維持され,ヘイズも軽減している。マイトマイシンCを用いたことが,近視と乱視の戻りに対する再PRKが奏効した一因であると解釈される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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