icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

特発性黄斑円孔術後の網膜厚にICGが及ぼす影響

著者: 吉田ゆみ子1 熊谷和之1 古川真理子1 沖田和久2 出水誠二2 荻野誠周2

所属機関: 1総合上飯田第一病院眼科 2新城眼科医院

ページ範囲:P.479 - P.482

文献購入ページに移動
 特発性黄斑円孔65眼に内境界膜剝離を行い,術後の網膜厚と視力を検索した。37眼には術中にインドシアニングリーン(ICG)による染色を行い,28眼にはこれを使用しなかった。術後12か月以上を経過した時点で,中心窩とその周囲の網膜厚を光干渉断層計(OCT)で測定した。2群間の値の有意差をMann-Whitney U検定で評価した。中心窩厚は,染色群190.9±53.7μm,非染色群163.8±45.3μmであり,染色群が有意に厚かった(p=0.024)。中心窩周囲の網膜厚は,染色群281.0±30.2μm,非染色群257.5±27.9μmであり,染色群が有意に厚かった(p=0.004)。術後視力には両群間に有意差がなかった。黄斑円孔手術でのICG染色の安全性の確認がなお必要なことを示す所見である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?