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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

多彩な粘膜病変を呈した難治性mucous membrane pemphigoidの1例

著者: 星最智1 山村陽2 大澤秀也1 稲富勉3

所属機関: 1藤枝市総合病院眼科 2バプテスト眼科クリニック 3京都府立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.487 - P.491

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 70歳男性に進行性の両眼の結膜囊短縮と閉瞼障害が4年前からあり,他医で行われた眼瞼形成術後の術後炎症で受診した。視力は右光覚弁,左手動弁であった。両眼に上下の重度瞼球癒着と角膜上皮幹細胞疲弊があった。前鼻孔閉鎖,口腔と咽頭粘膜潰瘍があった。口腔粘膜の蛍光抗体直接法による検索で基底膜にIgGとC3の線状沈着があり,mucous membrane pemphigoid(MMP)と診断した。薬物の全身投与を行ったが,初診から6か月後に左眼に角膜穿孔が生じ,表層角膜移植,輪部移植,羊膜移植を併用する眼表面再建術を行った。いったんは軽快したが,1年後に左眼角膜穿孔が再発し全層角膜移植を行った。視力は0.01に向上したが,閉瞼障害と瘢痕形成が進行して治療用コンタクトレンズの装用が困難になり,視力が手動弁に低下した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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