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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

遊走水晶体により著明な角膜内皮細胞減少をきたしたマルファン症候群の1例

著者: 三原悦子1 八幡健児1 八田史郎1 井上幸次1 堅野比呂子2

所属機関: 1鳥取大学医学部視覚病態学教室 2国民健康保険智頭病院眼科

ページ範囲:P.493 - P.497

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 マルファン症候群がある45歳男性が水晶体脱臼と続発緑内障で紹介され受診した。水晶体脱臼は左眼では3年5か月前,右眼では2年前に起こったが,放置されていた。受診時には両眼とも水晶体が前房に脱臼し,角膜後面に接触していた。角膜内皮細胞密度は右606/mm2,左1,282/mm2であり著明に減少していた。自己閉鎖創による水晶体嚢内摘出術を両眼に行い,以後の経過は良好である。マルファン症候群では角膜内皮に注意することが必要であることと,内皮細胞密度が低下した脱臼水晶体の摘出では,自己閉鎖創嚢内摘出術が侵襲の小さい有効な術式であることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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