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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

高齢者にみられた原田病の2例

著者: 福島敦樹1 山本由美子1 西野耕司1 堤理子1 小浦裕治1 割石三郎1 政岡則夫1 上野脩幸1

所属機関: 1高知大学医学部視覚機能統御学教室

ページ範囲:P.503 - P.508

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 原田病は高齢者での発症は少なく,高齢者では遷延例が多いと報告されている。筆者らは高齢者にみられた原田病の2例を経験した。症例1は83歳女性,症例2は68歳男性。両症例とも臨床所見,髄液検査から原田病と診断した。症例1は副腎皮質ステロイド薬投与中に幻覚,糖尿病が出現したため,減量を早く行ったところ再燃がみられた。その後,ステロイドパルス療法を行い,以後は経過良好である。症例2は穿孔性胃潰瘍の既往があり,ステロイド薬全身投与が行えず,結膜下注射を行い改善がみられたが,再燃を認めたため,再度結膜下注射を施行し,以後は経過良好である。原田病で高齢者の場合はステロイド薬を全身投与できないことがあり,その場合はステロイド薬局所投与で対処する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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