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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

非定型的脈絡膜欠損に合併した網膜剝離に硝子体手術で治療した1例

著者: 三上尚子1 桜庭知己1 原信哉1 山上美情子2

所属機関: 1青森県立中央病院眼科 2やまがみ眼科

ページ範囲:P.565 - P.568

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 76歳男性が右視野障害で受診した。右眼底には非定型的脈絡膜欠損とその下方周囲に網膜剝離がみられ,裂孔は不明であった。超音波白内障手術,硝子体切除術,ガスタンポナーデを行った。術中,脈絡膜欠損部辺縁全周には肥厚した後部硝子体膜が強く付着していた。この肥厚した変性後部硝子体膜を辺縁から剝離・除去し,後部硝子体剝離を作製すると,脈絡膜欠損部の下方辺縁に接した健常部網膜に裂孔がみられた。術後,OCTでは網膜下液が存在していたが,検眼鏡的に裂孔は閉鎖し,網膜は復位した。術中に直視下に裂孔を検索でき,裂孔への牽引を解除できる硝子体手術は,脈絡膜欠損に合併した網膜剝離に有効であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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