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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

Pit-macular症候群に対する硝子体手術後の復位過程

著者: 鹿嶋春香1 大串元一1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.569 - P.573

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 Pit-macular症候群の7例7眼に硝子体切除術とSF6ガス注入を行った。年齢は30~73歳(平均53歳)で,術前視力はすべて0.1以下であった。光干渉断層計(OCT)などを使って,術後経過を7~44か月間(平均27か月間)観察した。0.3から1.0の最終視力が得られた。網膜の5眼で完全に復位したが,うち4眼では複数回の液ガス置換が行われた。他の2眼では薄い黄斑剝離が残っている。復位が得られた5眼では網膜分離が早期に消失し,これに続いて黄斑剝離が緩慢に吸収された。黄斑復位に要した期間は5~17か月(平均9.6か月)であり,全網膜復位には7~17か月(平均11.8か月)を要した。網膜が復位した機序は,硝子体牽引の解除とガスによる網膜下液の機械的な圧排であると考えられるが,網膜下液の吸収になぜ長期間を要したかは不明である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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