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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (2) 原著

内境界膜下血腫を伴ったテルソン症候群の硝子体手術

著者: 堀江真太郎1 今井康久1 武居尚代1 吉野幸夫1 市野瀬志津子2

所属機関: 1東京都立広尾病院眼科 2東京医科歯科大学機器分析センター

ページ範囲:P.583 - P.586

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 黄斑前の血腫を伴うテルソン症候群の3例6眼に硝子体手術を行った。すべて男性で,年齢は11か月,22歳,47歳であった。発症から手術までの期間はそれぞれ4週,5週,2か月であった。混濁した硝子体を切除し,黄斑部を含むドーム状の血腫を覆う膜を一部開窓し,これを通じて血腫をバックフラッシュ針で吸引除去した。術中に採取した膜を電子顕微鏡で検索し,内境界膜であることが判明した。この結果から,今回のテルソン症候群症例での後極部の血腫は,内境界膜下血腫であると考えられる。本症候群での血腫が黄斑前にあるときには,血腫部の内境界膜を開窓して血腫を吸引除去することが視力回復と患者の早期社会復帰につながると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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