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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

光学干渉断層計により特異な所見を認めたpunctate inner choroidopathyの1例

著者: 齋藤孝恵1 志村雅彦1 山口克宏1 玉井信1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科感覚器病態学講座眼科学分野

ページ範囲:P.599 - P.605

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 40歳女性が左眼霧視を自覚して受診した。矯正視力は両眼とも1.0であり,左眼に軽い遠視があり,透光体に異常はなかった。左眼に視神経乳頭縁の不鮮明化があり,後極部一帯に境界が不鮮明な淡い黄白色斑が散在し,これを囲んで浅い漿液性網膜剝離があった。フルオレセイン蛍光眼底造影でこれら黄白色斑は過蛍光を呈した。これらの所見から,punctate inner choroidopathyと診断した。光干渉断層計(OCT)で,網膜深層に高輝度反射層と,これをはさんで網膜分離があり,検眼鏡的に観察された漿液性網膜剝離と白色点状病巣に相当すると考えられた。プレドニゾロン20mgを初回量とする経口投与で1か月後に自覚症状と眼底所見が改善した。6か月後には白色斑は境界鮮明な網膜下の白色瘢痕病巣になった。OCTでは当初の高輝度層が消失し,網膜色素上皮から脈絡毛細血管板にかけての高反射領域の厚さが増加し,瘢痕病巣に相当すると解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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