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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻4号

2004年04月発行

文献概要

臨床報告

全層角膜移植後眼の外傷による創離開例

著者: 坂東純子1 横井則彦1 外園千恵1 稲富勉1 佐野洋一郎1 木下茂1 西田幸二2

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2大阪大学医学系研究科感覚器外科学講座眼科学視覚科学教室

ページ範囲:P.617 - P.622

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 全層角膜移植を過去に受けた眼に鈍的外傷が加わり,術創が離開した10例10眼を経験した。年齢は18~81歳,平均54.5歳であり,角膜移植から受傷までは11か月~20年,平均5年5か月であった。全例で角膜移植の術創が離開し,その範囲は90°~270°であった。水晶体または眼内レンズの脱出または脱臼が6眼,硝子体出血が5眼,網膜剝離が1眼に起こった。最終観察時に4眼では移植片が透明であり,3眼は眼球癆になっていた。受傷時に外傷を予防する措置を講じていたのは1例のみであった。全層角膜移植を受けた眼での外傷性創離開は重篤で予後不良であることが多く,患者と家族への外傷を予防する指導が望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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