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特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3)
原著
文献概要
ボツリヌスA型毒素治療の効果を自験例371例について検討した。内訳は眼瞼痙攣153例と片側顔面痙攣218例である。平均年齢は65.6±11.6歳で,全例で1年以上の経過を追えた。複数回の治療により,眼瞼痙攣14例(9.2%)と顔面痙攣26例(11.9%)で,臨床症状が少なくとも1年間以上完全に消失した。これら奏効率は,従来報告されている自然寛解率よりも高く,本治療による効果であると判断された。症状が寛解した症例では,ほかの症例よりも,発症から短期間で本治療を開始していた。さらにこのような症例では,数回の治療で臨床症状が消失する可能性がある。
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