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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

インターフェロン網膜症の発症因子

著者: 河本ひろ美1 神谷和孝1

所属機関: 1公立学校共済組合関東中央病院眼科

ページ範囲:P.711 - P.713

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 インターフェロンの投与を受けた慢性肝炎72名について,インターフェロン網膜症の発症を検索した。B型肝炎5名,C型肝炎67名であり,12例では投与開始時に糖尿病があった。インターフェロン網膜症は72例中28例(39%)に発症した。糖尿病がない60例では20例(33%),糖尿病がある12例では8例(67%)に発症した。インターフェロンαの単独投与を受けた11例では2例(18%),インターフェロンβ単独投与の30例では17例(57%),インターフェロンαとリバビリンを併用した31例では8例(26%)に発症した。尿蛋白陰性の42例では9例(21%),陽性の30例では18例(60%)に網膜症が発症した。血小板減少と網膜症発症には関連がなかった。肝炎に対するインターフェロンの全身投与では糖尿病の合併と尿蛋白陽性,すなわち腎障害が網膜症発症の危険因子であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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