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特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3)
原著
文献概要
涙道内視鏡のプローブをブジーのように用いて,鼻涙管の閉塞部をモニターで見ながら正確に穿破すれば,鼻涙管閉塞症に対する涙管チューブ挿入術の治療成績の向上が期待できる。今回,慢性涙膿炎を含む鼻涙管閉塞症47例に対して施行した涙管チューブ挿入術において,閉塞部穿破をブジーで行った治療群21例と涙道内視鏡で行った治療群26例とに分け,その術後経過を比較した。その結果,ブジーでは52%の成功率しかなかったのに対し,涙道内視鏡では81%の成功率で有意に成績の向上がみられた(p=0.04,χ2テスト)。涙管チューブ挿入術は外来で施行できて侵襲が小さい。涙道内視鏡を用いることで治療成績も向上し,鼻涙管閉塞症の第一選択治療法として考えてよい。
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