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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

手指化膿巣が原発巣と考えられた内因性眼内炎の1例

著者: 矢島有希子1 小松崎優子1 平塚義宗1 横山利幸1 村上晶1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科学教室

ページ範囲:P.763 - P.766

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 32歳女性が3週間前からの左眼視力低下で受診した。12年前に全身性エリテマトーデスと診断され,プレドニゾロン内服を続けていた。3年前から腰椎圧迫骨折後の腰痛に対してジクロフェナックを内服していた。3か月前にすべての手の指先に化膿巣が出現した。矯正視力は1.2,左指数弁であり,左眼には前房蓄膿と硝子体混濁があった。白血球増加や肝膿瘍などの全身異常はなかったが,両指先に化膿巣があった。採取された硝子体と手指から,薬剤感受性が等しいメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出され,転移性細菌性眼内炎と診断した。易感染状態にある場合には皮膚感染巣でも眼内炎の原発巣になりえること,消炎鎮痛薬の内服中では眼内炎の症状が出現しにくいこことを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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