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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

角膜移植ハイリスク症例に対するシクロスポリン全身投与の効果と安全性

著者: 大本雅弘1 榛村重人1 ドールムラト1 島崎潤1 坪田一男1

所属機関: 1東京歯科大学眼科

ページ範囲:P.773 - P.776

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 過去2年間に行った全層角膜移植例のうち,拒絶反応が危惧されるハイリスク症例50例51眼に対して,シクロスポリンの全身投与を行った。角膜血管新生が2象限以上にある3眼と,再手術48眼をハイリスクと定義した。平均14.9±10.2か月の観察期間中に,37眼(73%)で透明治癒が得られ,13眼(26%)で拒絶反応が起こった。副作用として,吃逆,腹痛,高血圧,軽度意識障害,排尿痛が各1例にあった。副作用はいずれも一過性であり,プロトコルを遵守することで,シクロスポリンの全身投与を比較的安全に行うことができ,予後の改善に有用であると判断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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