icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

特発性黄斑円孔に対する硝子体手術後の俯き姿勢により急性心筋梗塞を発症した1例

著者: 山﨑眞吾1 上田朗裕1

所属機関: 1桑名市民病院眼科

ページ範囲:P.797 - P.800

文献購入ページに移動
 69歳女性が左眼の特発性黄斑円孔に対し硝子体手術を受けた。6年前に両側の大腿骨骨頭壊死に対して手術を受けている。心電図を含む手術前の全身検査で異常はなかった。手術の2日前に入院し,俯き姿勢の練習を始めた。経毛様体扁平部硝子体切除,超音波水晶体乳化吸引,眼内レンズ挿入,内境界膜剝離除去ののち,C3F8で液-ガス置換を行った。術中に問題はなかった。術後1日目には異常所見はなかった。術後2日目の午前8時の朝食後に嘔吐があり,胸痛と冷汗が出現した。ただちに俯き姿勢を解除した。その直後に心電図検査などが行われ,急性心筋硬塞と診断され,治療を開始した。動脈造影で左冠状動脈前下行枝の狹窄があり,冠状動脈形成術で狭窄が解除された。硝子体手術に続いて俯き姿勢を長時間継続したことが急性心筋硬塞を誘発したと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら