icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

妊娠中毒症を合併した妊娠・分娩の後に網膜中心静脈閉塞型乳頭血管炎をきたした1例

著者: 小田盛司1 雑賀司珠也1 加藤格1 大西克尚1

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.811 - P.814

文献購入ページに移動
 26歳女性が妊娠中毒症の後,正常分娩で第1子を出産した。出産の5週間後に右眼視力が低下し,その3日後に受診した。矯正視力は右0.03,左1.5で,右眼には-3.5D,左眼には約-4.0Dの近視があった。右眼には網膜血管の強い拡張と蛇行,乳頭の発赤と腫脹,散在性の網膜出血があった。蛍光眼底造影で乳頭に過蛍光があったが,網膜血管閉塞と新生血管はなかった。視神経乳頭血管炎に併発した網膜中心静脈閉塞症と診断した。副腎皮質ステロイド薬のパルス療法,血栓溶解薬の点滴,抗凝固薬の内服を行った。発症から5週後に眼底所見は軽減し,0.8の矯正視力を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?