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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

若年者に発症した両眼の網膜静脈閉塞症の1例

著者: 小林晋二1 山崎広子1

所属機関: 1国立精神神経センター国府台病院眼科

ページ範囲:P.815 - P.818

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 25歳女性が右眼視力低下を主訴として受診した。気管支喘息があり,少なくとも過去10年以上,副腎皮質ステロイド薬を内服していた。矯正視力は右0.15,左0.8であった。右眼に網膜中心静脈閉塞症,左眼に切迫型網膜中心静脈閉塞症の所見があった。左眼はいったん寛解したが,初診から5年後に視力が0.2に低下した。半側(hemi)網膜中心静脈閉塞症の所見があった。経過中に高血圧,糖尿病はなく,血液一般検査所見は正常であり,抗リン脂質抗体症候群あるいは高粘稠症候群は否定された。このような若年成人の両眼に網膜中心静脈閉塞症が発症したことは異例なことであり,長期間の副腎皮質ステロイド薬の内服で血栓形成が誘発された可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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