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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

後眼部より睫毛が発見された特異な眼外傷の1例

著者: 川口亜佐子1 難波幸子1 石原美香1 宮崎大1 山崎厚志1 井上幸次1

所属機関: 1鳥取大学医学部視覚病態学教室

ページ範囲:P.819 - P.822

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 18歳男性が作業中,左眼に径2mmの鋼線が刺入した。その直後から眼痛と出血,視力低下があり受診した。左眼角膜の上耳側から中央部に及ぶ裂傷があった。前房出血があり,中間透光体と眼底は透見できなかった。手術の当日に角膜を縫合し,前房を洗浄した。術後のX線とCT検査で異物は発見されなかった。受傷から2週間後に超音波検査で硝子体出血と網膜剝離が推定された。白内障手術と硝子体切除術を行い,硝子体腔内に2本,網膜下の血腫内に1本の線状異物が発見された。異物は3本とも黒色であり,長さが5ないし7mmで,1本には毛根があった。これら異物はすべて受傷時に迷入した睫毛であると判定された。以後の経過は良好で,0.5の最終視力を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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