文献詳細
特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (3)
原著
文献概要
流行性角結膜炎の院内感染が,2003年3月10日に当院の病棟で発生した。入院患者4例と外来患者10例を臨床所見から流行性角結膜炎と診断した。これら14例をアデノチェック(R)で検索し,11例が陽性であった。5例に中和抗体値測定とウイルスの分離を行い,4例でアデノウイルス37型が同定された。検査器具や医療従事者を介した感染が原因として考えられた。病棟内で発生した翌日から感染対策委員会を招集し,新規に作成したプロトコールに基づいて感染拡大の予防を徹底した。診療機器と手指の消毒,スタッフへの指導,患者への説明会,別室での診療,入院制限などにより,病棟閉鎖や外来制限をすることなく,初発から44日目に警戒体制を解除できた。
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