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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

臨床報告

オフロキサシン耐性Corynebacteriumによる周辺部角膜潰瘍の1例

著者: 佐藤克俊1 松田彰1 岸本里栄子1 網野泰文1 田川義継1 大野重昭1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科病態制御学専攻感覚器病学講座視覚器病学分野

ページ範囲:P.841 - P.843

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 65歳女性が1か月前からの右眼痛で紹介され受診した。約2年前から片眼または両眼の痛みが繰り返していた。そのつど角膜潰瘍と診断され,オフロキサシン,フルオロメトロン,ベタメタゾンなどの点眼で短期間に治癒していた。今回の受診時に,右角膜の2か所に浅い周辺部角膜潰瘍があり,全周に角膜浅層の混濁と血管侵入があった。オフロキサシン点眼とプレドニゾロン内服は無効であった。オフロキサシン耐性のCorynebacteriumが角膜擦過物から培養された。1日6回のセフメノキシム点眼に変えたところ,1週間後に潰瘍は治癒した。角膜潰瘍の治療では,耐性菌による可能性があることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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