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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻5号

2004年05月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病を有する白内障手術患者の前房内グルコース濃度

著者: 井上賢治12 奥川加寿子23 加藤聡2

所属機関: 1井上眼科病院 2東京大学医学部眼科学教室 3名戸ヶ谷病院眼科

ページ範囲:P.849 - P.852

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 糖尿病がある22例22眼に白内障手術を行い,前房水のグルコース濃度を測定した。年齢は56~90歳,平均74.7±9.9歳であり,手術前の空腹時血糖値は73~387mg/dl,平均171±82mg/dlであった。白内障手術を行い,糖尿病のない56例56眼を対照とした。年齢は平均75.5±7.6歳,空腹時血糖値は平均95±119mg/dlであった。前房水グルコース濃度は,糖尿病群が155±41mg/dl,対照群が91±22mg/dlであり,有意差があった(p<0.0001)。糖尿病群での前房水グルコース濃度は,血中HbA1cと有意に相関し(p<0.0002),血糖値,尿糖値,糖尿病罹病期間,年齢とは相関しなかった。糖尿病患者での前房水グルコース濃度が血糖コントロールの状態を反映し,白内障発症に関係している可能性があると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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