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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻6号

2004年06月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

網膜中心静脈閉塞症に対するradial optic neurotomyの成績

著者: 金子卓1 石田政弘1 竹内忍1

所属機関: 1東邦大学医学部眼科学第二講座

ページ範囲:P.923 - P.926

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 網膜中心静脈閉塞症9例9眼に対して放射状視神経切開術(radial optic neurotomy)を行った。年齢は43~79歳(平均63歳)であり,発症から手術までの期間は28~151日(平均66日)であった。術後の経過は6か月以上観察した。4眼は虚血型,5眼は非虚血型であった。LogMARで評価した術後視力は術前より改善する傾向があった(p=0.051)。中心窩厚は有意に減少した(p=0.001)。術前・術後の視力と中心窩厚の変化については,虚血群と非虚血群とで差がなかった。腕網膜循環時間,網膜循環時間,網膜感度,限界フリッカー値には変化がなかった。術後合併症として,網膜動脈分枝閉塞症が2眼に生じた。以上,網膜中心静脈閉塞症に対する放射状視神経切開術は慎重に行うべきであるが,従来の他の治療法よりも視力改善効果がある可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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