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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻6号

2004年06月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

巨大裂孔網膜剝離の他眼所見と経過

著者: 丸山百合香1 本間理加1 大谷倫裕1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.927 - P.930

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 巨大裂孔網膜剝離14例14眼を過去5年間に経験した。その他眼の所見と,7~132か月(平均35か月)の経過を検索した。巨大裂孔は円周方向で90°以上に及ぶものと定義し,外傷性と医原性は除外した。男性13例,女性1例であり,年齢は6~54歳(平均28歳)であった。他眼に裂孔原性網膜剝離が発症したのは8例(57%),うち5例は1年以内であった。両眼性の巨大裂孔は4例にあり,アトピー性皮膚炎が1例,Marfan症候群が1例,白内障手術の既往が2例4眼,格子状変性が1例にあった。巨大裂孔でない他の4例は毛様体裂孔が3例,弁状裂孔が1例で,アトピー性皮膚炎が2例,白内障手術の既往が1例にあった。14例中他眼に網膜剝離が発症しなかった6例のうち,1例にアトピー性皮膚炎があった。以上,巨大裂孔網膜剝離では他眼にも網膜剝離が生じる頻度が57%と高いことと,鋸状縁または毛様体に裂孔が好発することが結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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