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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻6号

2004年06月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

ブリンゾラミド追加投与による眼圧への短期効果

著者: 和田茂朗1 井上賢治1 若倉雅登1 井上治郎1 富田剛司2

所属機関: 1医療法人社団済安堂井上眼科病院 2東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科学教室

ページ範囲:P.931 - P.935

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 点眼薬で治療中の緑内障85例142眼に1%ブリンゾラミドを1日2回追加点眼し,3か月間の効果と副作用を検索した。緑内障の病型は,原発開放隅角緑内障75眼,正常眼圧緑内障48眼,その他19眼である。追加点眼前では,1剤投与が32眼,2剤以上が110眼であった。平均眼圧は,追加投与前17.4±3.1mmHg,投与開始1か月後15.0±2.9mmHg,2か月後14.9±2.9mmHg,3か月後14.9±2.9mmHgで,いずれも投与前よりも有意に低下した(p<0.0001)。原発開放隅角緑内障,正常眼圧緑内障,追加点眼開始前に1剤および2剤以上の症例のすべてで,投与開始から1,2,3か月後の眼圧は投与前よりも有意に低下した(p<0.0001)。霧視や異物感などの副作用が8例(9%)に生じた。ブリンゾラミドの追加点眼は安全であり,緑内障の病型あるいはそれまでの緑内障点眼薬の薬剤数にかかわらずいっそうの眼圧下降効果があると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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