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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻6号

2004年06月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

黄斑浮腫への硝子体手術時トリアムシノロン硝子体・後部テノン囊下同時投与の治療効果

著者: 伊藤丈詞1 野崎実穂1 小椋祐一郎1

所属機関: 1名古屋市立大学院大学医学研究科視覚科学教室

ページ範囲:P.971 - P.976

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 黄斑浮腫14眼に対して硝子体手術を行い,その際にトリアムシノロンを硝子体と後部テノン囊下に同時注入した。症例は,網膜中心静脈閉塞症8例8眼と糖尿病網膜症4例6眼である。男性5例6眼,女性7例8眼で,年齢は50~76歳(平均67歳)である。トリアムシノロンの注入量は硝子体内4mg,後部テノン囊下20mgとした。網膜中心静脈閉塞症眼には放射状視神経切開術,糖尿病網膜症眼には網膜光凝固を同時に行った。術後1か月の時点で,全症例で黄斑浮腫が消退し視力が改善した。光干渉断層計(OCT)で測定した中心窩厚は術前平均600±150μm,術後1か月平均216±57μmで,有意差があった(p<0.0001)。黄斑浮腫の再発が網膜中心静脈閉塞症4眼(50%)にあった。以上,黄斑浮腫に対するトリアムシノロンを硝子体と後部テノン囊下の注入は,術後早期に著効があったが,網膜中心静脈閉塞症での再発が問題である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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