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特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (4)
原著
文献概要
31歳男性が前日からの右眼の暗点で受診した。両眼に白濁する網膜病変があった。蛍光眼底造影で両眼に網膜小動脈からの色素漏出が多発していた。動脈炎性の網膜動脈分枝閉塞症と推定した。プレドニゾロンの内服などでいったん軽快したが,初診から10週後に左眼に再発し,さらに4週後に右眼に再発した。膠原病を疑い,血液検査,頸動脈の超音波検査などを行ったが異常は検出されなかった。本症例には,全身的な異常がない,限局性で動脈炎性の網膜動脈分枝閉塞症が両眼にある,副腎皮質ステロイド薬に良好に反応するが減量すると再燃するなどの特徴があり,新疾患である可能性がある。
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