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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻6号

2004年06月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

黄白色結節から網膜下腫瘤性病巣へと進展した眼内悪性リンパ腫の1例

著者: 高橋康子1 牧野伸二1 小幡博人1 神原千浦1 水流忠彦1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1033 - P.1037

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 73歳女性が左眼の眼底異常を偶然に発見されて受診した。矯正視力は左右とも0.7であり,左眼眼底後極部の網目状の色調変化と,上方に黄白色の小結節が散在していた。硝子体混濁はなかった。蛍光眼底造影では後極部から中間周辺部にかけて網目状の低蛍光と過蛍光が混在していた。11か月後の再診時に,左眼眼底の下耳側の網膜下に腫瘤が発見され,両眼に硝子体混濁があった。両眼の硝子体生検の結果は陰性であったが,悪性リンパ腫を疑い放射線照射を行った。左眼の腫瘤は消失し網脈絡膜萎縮巣になった。右眼の硝子体混濁に対し硝子体切除術を行い,病理組織学的所見と,硝子体内のIL-10/IL-6比が高いことから,眼内悪性リンパ腫と診断した。網膜の黄白色小結節が眼内悪性リンパ腫の初発病変であった可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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