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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻6号

2004年06月発行

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (4)

原著

急速に進行した類上皮型の脈絡膜悪性黒色腫の1例

著者: 岡本全弘1 名和良晃1 川崎健輔1 丸岡真治1 石橋秀俊1 原嘉昭1

所属機関: 1奈良県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1039 - P.1041

文献概要

 急速に進行した悪性黒色腫の1例を報告する。68歳女性が右眼視力低下で受診した。矯正視力は右0.5,左1.2で,右眼の視神経乳頭近くに色素沈着がある3乳頭径大の隆起性病変があった。蛍光造影の初期には低蛍光,後期には過蛍光と低蛍光が混在した。6か月間に急速に大きくなり,硝子体出血が併発した。超音波検査で茸状の隆起性病変であり,悪性黒色腫が疑われた。術中の生検で悪性黒色腫の診断が確定し眼球を摘出した。腫瘍はブルッフ膜経由で網膜に浸潤するメラニン色素が豊富な類上皮型悪性黒色腫であった。視神経への浸潤はなく,以後1年間の経過は順調である。類上皮型脈絡膜悪性黒色腫は頻度は低いが,急速に進行することがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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