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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻7号

2004年07月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (5) 原著

ポリープ状脈絡膜血管症(滲出型)の治療法による視力予後の比較

著者: 渡辺五郎1 佐藤拓1 岩崎明美1 桜井健司1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学研究科病態循環再生学講座視覚病態学

ページ範囲:P.1165 - P.1169

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 滲出型ポリープ状脈絡膜血管症141例152眼の視力経過を検討した。男性111例122眼(78.7%),女性30例30眼(21.3%)であり,年齢は54~89歳,平均71.2±7.5歳,経過観察期間は6~72か月,平均29か月であった。111眼にレーザー光凝固を施行した。32眼ではポリープ状病巣のみを凝固し,79眼ではこれとともに異常血管網を凝固した。他の41眼には光凝固を行わなかった。対象とした152眼での最終視力は,0.5以上が78眼(51.3%),0.1~0.4が40眼(26.3%),0.1以下が34眼(22.4%)であった。最終視力と視力変化は,光凝固を行った111眼と行わない41眼との間,およびポリープ状病巣のみを凝固した32眼と異常血管網を合わせて凝固した79眼との間に,有意差はなかった。以上の結果から,滲出型ポリープ状脈絡膜血管症の視力転帰が比較的良好であり,ポリープ状病巣のみを凝固しても視力の維持改善が得られる場合があると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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